WAN回線、プロキシ等のセキュリティ機器のリニューアルタイミングでSASEについて一度は検討をしたことがある、もしくは今まさに、これから、という方が多くいらっしゃるかと思います。SASEはネットワークやセキュリティに関連した大きなトレンドとなっていますが、このトレンドは日本では新型コロナウイルス感染症によって急速に広まりました。では、パンデミックが落ち着いた今、ユーザーがSASEに求めるものはどのように変化したのでしょうか?まずはパンデミックでなぜSASEが広まったのか、振り返ります。
急ピッチで進められたリモートワーク基盤整備
2020年に緊急事態宣言が発令され、多くの組織がリモートワークについて取り組みました。本来、ITだけではなく、組織のカルチャーやルールも絡む話なので、一朝一夕では実施できませんが、パンデミックという大きい波に動かされる形で多くの組織が整備に取り掛かりました。そして、これまでは多くが社内にいたユーザーが社外に出て、直接クラウドやSaaSにアクセスする状況を想定し、これをセキュアにするために、つまり、社外ユーザーの通信に対するセキュリティをクラウドで確保することが、当時のSASEに「とりあえず」求められていた機能でした。
SASEには以下のように様々なことを実現する要素を内包していますが、パンデミック対応として急ピッチで導入する際には、下の太字にあるようにごく一部だけにフォーカスがあたり、それ以外の要素を交えた検討は時間的な制約で難しかった現実があります。
SASEで実現可能な事柄例:
結果、2020年〜2021年はSASE導入というよりは実質的にリモートアクセス機能かプロキシ機能(もしくはどちらも)をクラウド化した、というSASE導入ケースが非常に多く見られたように思います。そして、これはSASEが内包する要素のごく一部にすぎません。では、今、SASEに求められていることはどう変化したのでしょうか。
2024年の今、SASEに求められていること
パンデミックが落ち着いて、腰を据えて様々な検討を進めている組織が多くあります。リモートワークが主目的だった検討から、組織が今後事業を拡張する為の基盤として必要となる物事は何か?という観点でSASEに求められる要件が変化しています。
例えば、
これらはほんの一例ですが、2020年とは大きく様変わりしているのがわかります。これらの組織において検討していることはそれぞれ違っていて、様々な要求、期待を中長期的に見据えてSASEを活用しようとしています。これはSASEが本質的には、ただリモートワークを実現するクラウドソリューションではなく、ネットワークとセキュリティというITの中でも比重の高い要素をまとめることができるソリューションであることを裏付けています。様々なことを実現できるからこそ、多種多様な期待が生まれています。
こういった状況から、今後SASEをフル活用し、ワークプレイスをより便利なものとして、事業の成長へと結びつけていく組織がどんどん増えると想定されます。セキュリティとネットワークを統合することによる様々な価値をどのように作って自組織の成長につなげていくか、パロアルトネットワークスでは日々ユーザーの方々と意見交換をして、最新の情報を基にご提案させて頂いております。
みなさまの組織ではSASEを既に活用されていますか?もし今、検討している、これから導入したい、という状況であれば、数多くあるSASEソリューションを選定する際にシングルベンダーSASEかどうか、という視点が参考になります。「シングルベンダーSASEとは何か?」を次回のブログでご紹介したいと思います。
SASE ソリューションに関する最新情報について、3/13(水)午後に開催予定のSASE Day 2024 イベントにて詳細解説いたします。ぜひご参加ください。
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